キス、涙々。
ナケ、催々。







文化祭も終わり、またしばらく平穏な日々が続いた。



「おはようございまーす。おねがいしまーす」

「おはようございます。ええと……カラコン入れてますか?」

「入れてない入れてない。これ裸眼!」


「裸眼……んん……カラコン、ですよね。ごめんなさい。今回は違反ということで」

「えーーーーっなんでぇ?ちょっとぐらい見逃してくれてもいーじゃぁん」

「ひ、一人見逃したらキリがないんです」

「むーケチ!この天然ヘーゼルアイ!」

「け、ケチで結構です……!」



平穏な……日々?


わたしの朝はあいわらず忙しかった。

いまもこうして、見た目が派手な女の子と押し問答中。



「ねーん、いいでしょ~?おねがーい」


耳元でそう艶めかしい声を出されると変な気分になってしまう。

やめてほしい。


< 184 / 253 >

この作品をシェア

pagetop