キス、涙々。



それからしばらく、ハギくんは学校を休んだ。


その間ずっとわたしはうわの空だったらしい。


連絡先を交換しておけばよかった、と思っても時すでに遅し。

きっと先生に聞いたらわかるんだろうけど、さすがにストーカーチックなのでやめた。



「信じて待つのもまた愛よ」

なんて美晴ちゃんが言うので、わたしは自分の仕事に専念することにした。


というか愛って……



わたしの朝はあいかわらず忙しい。

どれだけ言っても遅刻は減らないし、服装違反は多いし。


あまりにも服装違反が多いので、わたしは最近ある活動をはじめた。


服装の規定をすこし緩めてもらうこと。


それを学生指導の蒲池先生に話している途中。




「聞いたよましろっちー!先生に直談判してくれたんだって!?」

「あの泣き虫風紀委員が学校に異議申し立て!すごい成長だねぇ」



服装違反常連の女の子たちがうれしそうに話しかけてきてくれた。


< 227 / 253 >

この作品をシェア

pagetop