キス、涙々。
それからしばらく、ハギくんは学校を休んだ。
その間ずっとわたしはうわの空だったらしい。
連絡先を交換しておけばよかった、と思っても時すでに遅し。
きっと先生に聞いたらわかるんだろうけど、さすがにストーカーチックなのでやめた。
「信じて待つのもまた愛よ」
なんて美晴ちゃんが言うので、わたしは自分の仕事に専念することにした。
というか愛って……
わたしの朝はあいかわらず忙しい。
どれだけ言っても遅刻は減らないし、服装違反は多いし。
あまりにも服装違反が多いので、わたしは最近ある活動をはじめた。
服装の規定をすこし緩めてもらうこと。
それを学生指導の蒲池先生に話している途中。
「聞いたよましろっちー!先生に直談判してくれたんだって!?」
「あの泣き虫風紀委員が学校に異議申し立て!すごい成長だねぇ」
服装違反常連の女の子たちがうれしそうに話しかけてきてくれた。