キス、涙々。


わたしは指導をしながら、えへへと頬をかく。



「そこまで大それたことじゃないんだけどね。交渉はしてるかな」

「それでそれで!?どんなカンジですか!姐さん!」


「姐さん……? 正直難しいと思う。やっぱり、これまで引き継がれてきた伝統を変えるわけだし……そう簡単に先生たちも納得してくれなかった」


「そっかあ」


わかりやすく肩を落とす彼女たち。


そんな彼女たちのスカートに目を向ける。

規定では膝丈なんだけど、この子たちは目算でも膝上5センチは折っていた。


わたしはそれを見ながら項目の『スカート』欄にチェックをつける。



「でも、ひとつだけ通ったのがあるの」

「え!なになに!?制服自由!?」

「それが通ったら他のもぜんぶOKもらえてるよ」


風紀委員内で話し合って、先生に相談して、最終的に校長先生に直接OKをもらった項目。


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