キス、涙々。
*
「ハギくん、この人……」
「そう。これが俺の父さん」
写真の中にいる男の人の容姿はハギくんと全然似てなかった。
警察の制服に身を包んで、どこか固く表情を引き締めている。
それなのにどこか優しさや温かみに似たものを感じる。
この人は、ハギくんとそっくりの瞳をしていた。
……ハギくんのお父さんだ。
そうして、この人は。
「あの、ましろさん……よね?」
おずおずと仏間に顔を出したのは、ハギくんのお母さん。
この前会ったときと見た目は変わらないはずなのに、雰囲気がまったく違って見えた。
髪を後ろで一つにまとめたお母さんは、手になにかを持っている。
「いつか、あの人から話を聞いたことがあった。ごめんねましろさん、中身見ちゃったけど……どこも壊したり破いたりしてないから」
どこかぼんやりとしたまま、手渡されたそれを受け取った。
緑と赤のクリスマス柄の包みはまだすこし時期がはやい。
何年も前から用意されていたように、両手に収まるその袋はちょっぴり古びていた。
となりに座るハギくんをちらりと見やる。
ハギくんがうなずいてくれたので、わたしはおそるおそる袋の中に手を入れる。
なにか固いものと、紙のようなものが指に触れた。
先に紙のようなものを取り出すと、それは一枚のメッセージカードだった。
「ハギくん、この人……」
「そう。これが俺の父さん」
写真の中にいる男の人の容姿はハギくんと全然似てなかった。
警察の制服に身を包んで、どこか固く表情を引き締めている。
それなのにどこか優しさや温かみに似たものを感じる。
この人は、ハギくんとそっくりの瞳をしていた。
……ハギくんのお父さんだ。
そうして、この人は。
「あの、ましろさん……よね?」
おずおずと仏間に顔を出したのは、ハギくんのお母さん。
この前会ったときと見た目は変わらないはずなのに、雰囲気がまったく違って見えた。
髪を後ろで一つにまとめたお母さんは、手になにかを持っている。
「いつか、あの人から話を聞いたことがあった。ごめんねましろさん、中身見ちゃったけど……どこも壊したり破いたりしてないから」
どこかぼんやりとしたまま、手渡されたそれを受け取った。
緑と赤のクリスマス柄の包みはまだすこし時期がはやい。
何年も前から用意されていたように、両手に収まるその袋はちょっぴり古びていた。
となりに座るハギくんをちらりと見やる。
ハギくんがうなずいてくれたので、わたしはおそるおそる袋の中に手を入れる。
なにか固いものと、紙のようなものが指に触れた。
先に紙のようなものを取り出すと、それは一枚のメッセージカードだった。