キス、涙々。
嬉しくて、もどかしくて、恥ずかしくて、わたしはもっと泣いてしまう。
ハギくんの首に腕を回したら、背中を抱いてくれた。
「俺はたぶん、他の男よりも重いし嫉妬するし面倒くさいよ」
「うん。うん、知ってる」
「あとから離せって言われても、もう無理だよ。それでも後悔しない?」
「わたしね、あのときに答えは出てたんだと思う」
「あのときって?」
「文化祭の準備中……ずっと隣にいてよって、ハギくんが言ってくれたとき」
あのとき、わたしの気持ちはすでに決まっていた。
好きだったんだ。ずっと前から。
……いつのまにか、こんなにも好きになっていたんだ。
「好きだよ、ヤオ」
「っ、わ、たしも、ハギくんがすきっ……末永く、よろしくおねがいします……っ」
「さてはヤオ、離れる気ないね。まあ俺が離さないけどさ」