キス、涙々。


嬉しくて、もどかしくて、恥ずかしくて、わたしはもっと泣いてしまう。

ハギくんの首に腕を回したら、背中を抱いてくれた。



「俺はたぶん、他の男よりも重いし嫉妬するし面倒くさいよ」

「うん。うん、知ってる」

「あとから離せって言われても、もう無理だよ。それでも後悔しない?」


「わたしね、あのときに答えは出てたんだと思う」

「あのときって?」

「文化祭の準備中……ずっと隣にいてよって、ハギくんが言ってくれたとき」



あのとき、わたしの気持ちはすでに決まっていた。


好きだったんだ。ずっと前から。


……いつのまにか、こんなにも好きになっていたんだ。




「好きだよ、ヤオ」


「っ、わ、たしも、ハギくんがすきっ……末永く、よろしくおねがいします……っ」


「さてはヤオ、離れる気ないね。まあ俺が離さないけどさ」


< 252 / 253 >

この作品をシェア

pagetop