キス、涙々。
「ご、ごめんなさ……」
「俺、怒ったつもりないけど」
「はい?」
涙がすんでのところでとどまった。
「でも……お前もしっかりしろよ、って」
「は?」
強面で顔が整っている人の凄みはなによりも恐ろしい。
ひいい、と泡を食いそうになりながらもわたしは言葉を続ける。
「わたしのこと、見てて腹たつって思ってたんじゃないの……?ろくに仕事もできない鈍くさい風紀委員だって、それで……」
「それで?」
「こ、こいつマジ使えねー……って」
それはさんざん、わたしが言われてきた言葉だったから。
心のまだ癒えきってない傷をぶすりと自分で刺したような気持ちになった。