キス、涙々。
ネコ、吸々。
*
くしゅん、とくしゃみが出る。
向かい合ってパンを頬張っていた美晴ちゃんが心配そうに、大丈夫?と声をかけてくれた。
「今朝寒かったもんね。ましろ、風邪引きかかってるんじゃない?」
「うーん、そうかなぁ」
「絶対そうだって。今日は寄り道せずに帰りなよ……あ、カイロあった。ほら、これあげるから使いなって」
カバンの中をかき回していた美晴ちゃんが取り出したカイロ。
ありがたくもらったけど、いざ持ってみると中身がカチカチに固まっている。
聞くと、おそらく去年の冬から奥底で眠っていたやつだという。
捨てたらいいのに。
なんて思いながらも、指で塊になった鉄粉をもみほぐす。
まだ望みはあるかもしれない。
あったらそれは、まぎれもなく奇跡だけど。
くしゅん、とくしゃみが出る。
向かい合ってパンを頬張っていた美晴ちゃんが心配そうに、大丈夫?と声をかけてくれた。
「今朝寒かったもんね。ましろ、風邪引きかかってるんじゃない?」
「うーん、そうかなぁ」
「絶対そうだって。今日は寄り道せずに帰りなよ……あ、カイロあった。ほら、これあげるから使いなって」
カバンの中をかき回していた美晴ちゃんが取り出したカイロ。
ありがたくもらったけど、いざ持ってみると中身がカチカチに固まっている。
聞くと、おそらく去年の冬から奥底で眠っていたやつだという。
捨てたらいいのに。
なんて思いながらも、指で塊になった鉄粉をもみほぐす。
まだ望みはあるかもしれない。
あったらそれは、まぎれもなく奇跡だけど。