キス、涙々。
わたしが納得したと同時、部屋の外からお母さんの声が聞こえてきた。
「うん。大丈夫、いま降りるね」
『あ、お母さん?なんて?』
「お昼できたけど、食べられそう?って。わたしもお昼ご飯食べてくるね」
『ましろマムのご飯は美味しいからね、ちゃんと食べて栄養つけな』
そしてひとことふたこと交わして、通話終了をタップした。
ベッドから起きあがりカーディガンを羽織って部屋を出る。
廊下にはお母さんが待っていてくれた。
「誰かと電話してたの?」
「美晴ちゃんと。お母さんのご飯、美味しいから栄養つけなって」
「あらぁ言ってくれるじゃん生徒会長。また今度食べにおいでって言っといてね」
「うん!」
用意されていたご飯は胃に優しいものばかりだった。
それを残さずに食べたわたしは、もう熱も完治したものだと思い込んでしまっていたらしい。