キス、涙々。
リビングでお母さんと談笑していたら急に、視界がぐるぐるしてきて。
「あ、あれ……?」
「ましろ、あんた、顔あかいよ。また熱あがってきたんじゃない?」
「ええ……まだ治ってなかったの……?」
「当たり前でしょ!ほら、ひどくならないうちにはやく寝に行きな」
「ん、うん、そうする……」
ふらふらと立ち上がったわたしを、お母さんは心配そうに見ている。
手を貸そうか?と聞かれたけどすぐそこだからと断った。
途中で転げ落ちないように、階段の手すりをつかんで慎重にのぼっていく。
部屋についてベッドに倒れこんだ瞬間、
「あ、むり…………」
わたしの意識はまるで別世界に吸い込まれるようになくなった。