キス、涙々。
「ん、ぅう……ん、」
そして現在。
生徒会長から教えてもらったヤオの家にて。
なぜか理性と戦うハメになっていた。
いや、なんで?
お見舞いにきただけだったのに、なぜこんなことになってるんだ。
考えてもわからなかった。
というより、考えることをヤオが阻止してくるようだった。
「あのね…わたし思うんだよ……この家に鉄パイプがなくてよかった、って……あとは金属バッドさえ…どうにかしてくれたら……どうにかならない?あれ」
「なんの話?」
「だからね……わたしのことは心配しなくていいから、ちゃんとやれてるから……もう髪をつかまれて…引きずられることも、教科書を買い直すこともないんだよ……ね、おかーさん」
誰がお母さんだ、という言葉は口をついて出なかった。
開きかけた口をゆっくりと閉じる。
「ヤオ」
「んっ……ゆさ、揺さぶらないで、あたまズキズキする……」
首に腕を回すヤオをいつまでも抱いているわけにもいかなかった。