キス、涙々。
「どう?」
「んん…苦しゅうない……」
「何様だよ、まったく」
「へへ……」
「いま暖房切ったから、布団は被っときな。また寒くなったら、リモコンここ置いとくし自分でつけて」
「うん……」
聞いてるのか、聞いてないのか。
たぶん後者だろうな。
いつもなら真っ赤になるはずなのに、こうして頭を撫でてみても反応しないし。
ベッドの端に手をついてヤオの額に手をあてる。
「熱いな……ごめんね、ヤオ。俺のせいでこんなんなっちゃって」
「こんなんって…ひど……」
ごめん、と苦笑いするよりも先にヤオが動いた。
熱い指先が、額に置いていた俺の手に触れる。
冷たいのが気持ちいいのか、そのまま頬のほうに寄せられていった。
すこしだけ穏やかな顔になったヤオは、ぽつりと呟いた。
「でも……いつもありがとう。だいすき……」