【短編】私がお母さんでいい






そして


半年が経った頃だった



ケータイから電話がかかってくる



画面を見ると



雪菜からだった


あの日以来だったから戸惑ったけど



電話に出る



「もしもし?」


『もしもし!?お姉ちゃん?
雪菜だけどー
子供産まれたよー!』



「ええー!!
ほんとに!?」


『うん!だから今度見に来てよ!』



雪菜が子供を産んだ


それは嬉しくもありどこか悲しく寂しくもある



雪菜がお母さんか…



「男の子?女の子?」


『女の子だよ!』


「へぇー名前は?」





『私と同じ漢字使いたいから
"那雪"って名前にしたの!』



那雪ちゃんか…




それから雪菜とはちょくちょく連絡はしていた



両親には話したみたいだけどまだ納得いってないみたいだ


雪菜は良太と籍を入れて苗字も変わった



安達雪菜『あだちゆきな』



あの雪菜が大人になる瞬間がすごく嬉しかった



私は良太とも会った



「雪菜さんにはいつもお世話になってます」


「そんなかしこまらなくてもいいよ」


私は両親と違ってそういうの気にしないから



「ありがとうございます!」



「雪菜をよろしくね」



「一生大切にします!!」



良太はそう言った



私も安心出来る気がした




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