箱崎桃にはヒミツがある
「そんなところで、マッチ売りの少女みたいに眺めてるくらいなら食べたらいいじゃないか」

「いや~、夜の甘いものは即行、太るんで」

 そう言うと、上から下まで桃を見たあとで、
「少々太っても大丈夫そうだが。
 まあ、モデルというのは、そういうものではないんだろうな」
と言ってきた。

「じゃあ、虫歯作るなよ」
と言って貢は行きかけたが、何故か戻ってくる。

「やっぱり物騒じゃないか?
 一緒に走ってやろうか」

「だ、大丈夫ですよ、ほんとに。
 お疲れ様ですっ」
となにがお疲れ様なのかわからないが言い、桃は走って逃げ去った。





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