極上御曹司に初めてを捧ぐ～今夜も君を手放せない～

今まですぐに酔うと思って乾杯のビールしか飲まなかったんだよね。
「わー、このスクランブルエッグすっごく美味しいです」
ニマニマしながら言ったら、「急に元気になったな。しっかり食べろよ」と彼が笑った。
「今日は朝から客先ですか？」
何気なくそんな話題を口にすると、彼は溜め息交じりに答えた。
「本当なら朝から出社するはずだったんだが、煩いじいさんに呼ばれたから午後から出社する」
「煩いじいさんってこのマンションを所有してるおじいさんのことですか？」
コーヒーを飲みながら尋ねると彼はクスッと笑った。
「そう。変に元気だから困る」
「でも、元気なのはいいことですよ」
資産についての相談かな？
それとも電球の交換とかだったりして。
老人が脚立とか乗って電球交換するのって危ないもんね。
その後、優のマンションを出て出勤すると、海外企画部のドアの前に秘書室の朝井さんがいて驚いた。
「朝井さん、おはようございます。うちに何か用ですか？」