極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
しどろもどろになりながらそう言い返したら、滝川さんが「そう言えば、北條が亮太の妹が藤原さんって言ってたっけ」と相槌を打った。
「え?そうなの?藤原さん、亮太くんの妹だったの?」
朝井さんもその話に反応して私に確認する。
おっ、よかった。話が逸れた。
「はい。うちの兄がお世話になってます」
ペコリと頭を下げると、彼女は笑みを浮かべて兄の思い出話をする。
「亮太くんの自慢の妹が藤原さんだったのねえ。いつも『うちの妹は滅茶苦茶可愛い』って自慢してたの。今度食事でもしましょうよ」
お兄ちゃんたら、朝井さんに何言ってるのよ〜。
恥ずかしい〜。
「是非」
少し赤面しつつもニコッと笑顔を作ると、朝井さんは私に「じゃあ」と手を振ってこの場から姿を消した。
何とか誤魔化せたみたい。
ハーッと胸に手を当てる私を見て滝川さんがニヤリ。
「北條と上手くコンタクト取ってるみたいで安心したよ。前は正直苦手だったでしょう?」
滝川さん……鋭い。
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