極上御曹司に初めてを捧ぐ～今夜も君を手放せない～

「……はい。部長っていうのもありますけど、有能な方なので違う世界の人みたいに感じていて……」
素直に認める私を彼はからかった。
「で、業務報告以外で話すのは避けてたよねえ」
「滝川さん！ちょっ……北條さんには言わないでくださいよ」
咄嗟に彼の腕を掴んでお願いすると、彼の目が悪戯っぽく光った。
「藤原さんてさあ、観察してみると面白いよね。落ち着いているようで結構いろいろ顔に出るし。さっきの北條の予定の件でもすっごい焦ってた」
彼の発言に顔面蒼白になる。
滝川さん、私を観察なんかしないでください。
「今も顔が青い。何かバレたくないことでもあるのかな？なんてね」
滝川さんは謎めいた微笑を浮かべて私の肩を叩き、自席に戻った。
「さあて、仕事、仕事」
彼の後ろ姿をじっと見ながら考える。
追及されなかったのはよかったけど、そのうち優の家に同居しているのがバレそう。
気をつけなきゃ。
私も自席に座り、いつものように仕事をこなしていく。