極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
7、ずっとこのままでいたい ー 優side
焼肉屋で飲み食いしていたら、俺の隣に座っていた梨乃の様子が変わった。
 「みんなは今まで何人の女性と付き合ったんですか?」
アルコールが入ったせいか頬はほんのりピンクになっていて目が据わっている。
こんな彼女を見るのは初めてだ。
朝井と滝川はそんな梨乃の変化に触れず、割と真剣に過去の恋人の数を数えている。
「僕は六人ですね」
朝井が茶化さずに言うと、滝川は数えるのを諦め笑って適当に答えた。
多分、滝川は両手があっても足りない。
「十人くらいかな。北條は?」
最初から真面目に数える気もなかった俺は、フッと笑って返した。
「さあ、覚えてない」
その返答に滝川の目がキラッと光る。
お前も両手だけじゃ数えられないだろ?
彼の目はそう言っていた。
「ズルイなあ。こいつこんな澄まし顔してるけど、結構遊んでるからね。騙されちゃ駄目だよ、藤原さん」
滝川が俺の暴露話をすると、酔って目がトロンとしてきた梨乃がご機嫌な様子で返事をした。
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