極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
今まで業務報告以外で話してなかったからわからなかったけど、部長って理想的な上司かもしれない。
その後、滝川さんが加わったこともあって十一時二十分に作業は終了。
やはりこういう単純作業は人数が物を言う。
帰り支度をしてビルの正面玄関前で、北條さんと滝川さんにペコリと頭を下げた。
「今日は遅くまでありがとうございました。おふたりとも忙しいのにすみません。では、私はこれで」
逃げるように帰ろうとする私の腕を北條さんが掴む。
「待て。ちょっと付き合えよ」
「え?」
ポカンとする私の手を引いて北條さんたちに連れて来られたのは、会社からワンブロック先にあるラーメン屋。
ランチの時間は激混みでなかなか入れない。
そのまま店に入り、奥のテーブルに着くが四人掛けのテーブルに私と北條さんが並んで座り、私の前の席に滝川さんが座っていてなんだか落ち着かない。
なんか尋問受けそう。
「ここ、いつも混んでるから初めて来ました。深夜だと割と空いてるんですね。でも、おふたりとも接待でもう夕飯は食べたんじゃあ?」
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