極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
「その言い方は全然わかってない。ひとりきりにしたら一生恨みますよ。トイレ行く時も起こしてくださいね」
今度は俺の布団に入って抱きついてくる彼女。
自分がどんな危険な真似をしてるかわかっているのだろうか?
俺に襲われるとか考えていないに違いない。
「もし、今ここにいるのが俺じゃなくて亮太でも一緒の布団に入るか?」
彼女に確認すると即答された。
「そりゃあ、お化け怖いですもん。入って、お化けが出たらお兄ちゃんを盾にしますよ」
その回答に笑ってしまったが、亮太と同じ布団に入られるのは嫌だ。
胸の中がモヤッとして彼女を組み敷いた。
「え?優?」
驚きで彼女の瞳が揺れる。
「たとえ兄でももう一緒の布団に入るな。妬ける」
自分の気持ちを伝えると、彼女の唇を奪った。
「うう……ん」
くぐもった声をあげる梨乃の頭を掴んで自分の唇を押しつける。
柔らかくて温かいその唇に我を忘れそうになる。
だが、理性を総動員させてキスを終わらせた。
「な……何でキス?」
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