極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
多分、私がお腹鳴ったから連れて来たんだろうな。
気を遣わせてしまって申し訳ない。
「接待でそんなに食べてないから気にするな。ケーキバイキングじゃなくて悪いが、好きなの頼むといい。滝川は何にする?」
恐縮する私に北條さんはメニューを見せ、滝川さんに目をやった。
あー、しっかりケーキバイキングのこと覚えてますね。
「いつものとんこつに餃子」
滝川さんがテーブルに頬杖をつきながら答えると、北條さんは私に視線を移した。
「俺もそれにする。藤原は?」
「では、私もとんこつで」
メニューをあまり見ずに返答する私に、北條さんが保護者のように突っ込む。
「それで足りるか?餃子とかチャーハンは?」
上司たちの前でガツガツ食べられないし、餃子は大好きだけどニンニクの臭いが気になる。
そんな私の思考を読んだかのように女慣れしている滝川さんがおちゃらけた様子で言った。
「あっ、ひょっとして餃子の匂いとか気にしてる?大丈夫。みんなで食えば、匂いも気にならない」
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