極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
ここまで言われて断るのも失礼だろう。
「ハハッ。……では、餃子も」
苦笑いしながら頼むと、北條さんが店員を呼んで注文した。
「おふたりはよく来られるんですか?」
モデルみたいにカッコいいふたりがこの店を選んだのが意外で尋ねる。
「ああ。残業した日とかに滝川と来る」
「そんな待たずに食えるしね」
北條さんが先に答えて、滝川さんは補足説明と息がぴったり。同期にしてもふたりのやり取りはすごく自然で遠慮なく物を言い合う仲に見えた。
「仲がいいんですね」
何気なくそんな言葉を返したら、「滝川と俺は中、高、大学と一緒だったから」と部長が答える。
「それで就職先と配属先も一緒なんて凄いですね。どちらの学校だったんですか?」
ラーメンが運ばれてきたが、ふたりの関係に興味が湧いてすぐに手をつけずにさらに質問した。
「中学と高校は英光学園だ」
部長が箸を割りながら淡々とした口調で返すが、その返答に驚かずにはいられない。
「う……そ」
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