極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
無茶苦茶なこと言ってると思うが、自分の感情をうまくコントロール出来ない。
「それじゃあ、こうしよう。一時間後も梨乃の気持ちが変わらなかったら、有り難く頂く」
穏やかな声で提案する彼に思わず突っ込んだ。
「何ですか、それ」
「いいから。今の梨乃は神経が高ぶっていて普通じゃない」
優は私の肩をトンと押してベッドに寝かせ、自分も横になった。
「今の梨乃に必要なのは食事ではなく、身体を休めることのようだ」
「眠くないですよ」
「眠らなくても目を閉じるだけでいい。身体がリラックスするから。ほら、目を瞑る」
そう言って私の額にチュッと口付ける彼。
「今日はどうして額なんですか?」
ちょっと物足りなくて理由を尋ねたら、彼の目が面白そうに光った。
「口がよかったか?」
「そ、それは……いつもと違うから……聞いただけで」
少し狼狽えながら言い訳する私の唇を彼は親指の腹でゆっくりとなぞった。
「唇にすると、自分を止められなくなりそうだからだ。欲情しそうになるのを今理性で必死に抑えてる」
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