極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
自分を守りたいだけのズルい女なんだ。
こんな自分は嫌なのに、もう別の生き方はできない。
その後、定時過ぎに仕事を終えると、兄からLINEが来ていた。
【十九時にイタリアンの店を予約したから来て】
文面はそれだけで、店の名前と地図が添付されていた。
お店は銀座にあり、うちの会社から十五分程歩いたところにあった。
地下へ続く階段を下りると、重厚な赤いドアがあって黒いスーツに身を包んだ男性に「いらっしゃいませ」と丁重に迎えられる。
「藤原の名前で予約してあると思うんですけど」
そう伝えて案内されたのは、四畳くらいの広さで壁がドームになっている個室。
中に入ると、兄……藤原亮太が奥の席に座っていて、私に気づいて手をあげた。
「よお、久しぶり」
シルバーフレームのメガネに、黒髪の天然パーマでちょっとボサボサの頭は相変わらず。
どんなにブローしても髪の癖は直らないし、本人も諦めているのか、服装に気を使っても髪に関しては無頓着だ。
こんな自分は嫌なのに、もう別の生き方はできない。
その後、定時過ぎに仕事を終えると、兄からLINEが来ていた。
【十九時にイタリアンの店を予約したから来て】
文面はそれだけで、店の名前と地図が添付されていた。
お店は銀座にあり、うちの会社から十五分程歩いたところにあった。
地下へ続く階段を下りると、重厚な赤いドアがあって黒いスーツに身を包んだ男性に「いらっしゃいませ」と丁重に迎えられる。
「藤原の名前で予約してあると思うんですけど」
そう伝えて案内されたのは、四畳くらいの広さで壁がドームになっている個室。
中に入ると、兄……藤原亮太が奥の席に座っていて、私に気づいて手をあげた。
「よお、久しぶり」
シルバーフレームのメガネに、黒髪の天然パーマでちょっとボサボサの頭は相変わらず。
どんなにブローしても髪の癖は直らないし、本人も諦めているのか、服装に気を使っても髪に関しては無頓着だ。