極上御曹司に初めてを捧ぐ～今夜も君を手放せない～

「ああ。ついさっき会社で会ったし」
北條さんが私をチラッと見て兄に返事をするが、私はまだこの状況についていけずにいた。
「え？え？北條さんは私が親友の妹だって知ってたんですか？」
半ば混乱した頭で北條さんに問えば、彼はニヤリとした。
「昨日お前が同じ学校の出身って聞いてピンと来た」
ああ！ラーメン屋にいる時、兄がいるか聞いたのは、お兄ちゃんを知っていたからだったんだ。
「俺も今朝優から話聞いた時は驚いたよ。偶然ってあるんだな」
兄が私と北條さんを見てしみじみと言う。
いや……私が一番驚いてるよ。
でも、考ええてみたら、兄と北條さんは同い年。
兄も中、高と生徒会の役員をしていたから北條さんたちを知らないってことはないのだ。
とすると、滝川さんとも顔見知りか友だちなのだろう。
世間て本当に狭い。
「でも、どうして今日は北條さんも呼んだの？私をビックリさせるため？」
咎めるような口調で聞いたら、兄は勿体ぶった言い方をした。