極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
時計の針を巻き戻せたらどんなにいいだろう。
昨日うちに空き巣が入って……それで嫌なことをいろいろ思い出してしまった。
北條さんのマンションに連れてきてもらったのに泣いてしまった。しかも、彼に慰められていつの間にか眠ってしまったようだ。
部長を頼ることなんてないって思ってたのに早速お世話になっちゃったな。
今何時だろう?
カーテンの隙間から差し込む日差しはとても明るい。
視線を彷徨わせて時計を探したら、向かい側の壁に壁時計があった。
「十一時……五十八分!」
時刻を見て目をひん剥く。
今日は土曜で仕事は休みだけれど、上司の家に泊まった上に、お昼まで寝てるなんて私は馬鹿か!
図々しいにも程がある。
慌ててベッドを出て身支度を整えると、リビングに行き部長の姿を探した。
部長は白いシャツに黒のジーンズというシンプルな出で立ちでソファに座っている。
アウトドア系の雑誌を読んでいる姿がモデルみたいにカッコよくて思いがけず見惚れてしまった。
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