極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
北條さんの手料理を私ごときが頂くなんて身の程知らずもいいとこだ。
荷物まとめてすぐに出て行かないと。
「俺のスープは怖くて飲めないか?」
遠慮して断るも、北條さんがスーッと目を細めるものだから怖くて渋々折れた。
「……飲ませて頂きます」
「じゃあ、持ってくるから座って待ってて」
言われるままソファに腰掛けて、改めてリビングをじっくりと見る。
テレビは五十インチくらいありそう。
壁には星や月の写真が何枚か飾られていた。
天体が好きなのかな?
じっと月のパネルを眺めていたら、北條さんがマグカップを手に戻ってきた。
「さあ、どうぞ」
「ありがとうございます。壁の写真って北條さんが撮られたんですか?」
パネルに目を向けると、北條さんは穏やかな目で微笑んだ。
「ああ、俺の趣味。ひとりで山に行って撮るんだ」
夜とか毎晩パーティに行って女性をエスコートしているイメージなのに意外だ。
「素敵な趣味ですね」
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