極上御曹司に初めてを捧ぐ～今夜も君を手放せない～

「じっと星とか眺めてると落ち着くんだよ。仕事でいろいろストレスもあるし」
何気なく言った彼の言葉に驚いて声を上げた。
「部長にもストレスあるんですか？」
「上からのプレッシャーが半端ない。特に会長がな。まあ、俺のストレスの話はどうでもいい。昨日も言ったが、役職とか名字で呼ぶなよ。家なのにリラックスできないだろ？あと、うちで敬語禁止」
名前の呼び方や言葉遣いを注意されるが、素直に従えなかった。
「待ってください。目上の人に敬語使わないのは抵抗がありますよ」
「だから、今の俺は梨乃の兄だって言っただろ？涼太に敬語使うか？当分うちに住むことになるだろうし慣れるんだな」
決定事項にように部長が言うのでギョッとした。
「当分って……これ頂いたら、出て行きますから」
これ以上部長に迷惑はかけられない。
自分の主張を通そうとする私を彼は呆れ顔で見る。
「お前は危機管理能力なさ過ぎ。今のアパートで暮らすのは許可出来ないし、すぐに条件の整った新しいところを探すなんて無理だろ？それに、犯人はまだ捕まっていない。ひとりでいるのは危険だ」