極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
「別に不倫してる訳でもないし、会っても問題ないが」
この人は……全然わかっていない。
「大問題です!自分がどんなにモテてるか自覚ありますか?」
優を真っ直ぐに見据えて問うが、彼の答えを聞いてクラッと目眩がした。
「いや。全く。学生時代はそれなりにモテていたが、今は告白もされてないからな」
それでモテないと解釈する優ってかなり鈍感なの?
「それは優が会社の偉い人だから、みんな告白は遠慮してるんです。うちの会社の女性社員の半分は優のファンですよ」
語気を強める私を見て優はニヤリ。
「それ、ちゃんと統計取ったのか?海外企画部にいるなら数字はちゃんと把握しろよ」
急に上司口調で彼が突っ込むものだから思わず引いた。
「と、取る訳ないじゃないですか。社内の雰囲気でわかるんですよ」
「いいから、行くぞ。そんな離れてたらはぐれる」
彼が私の腕を掴んで歩き出すが、立ち止まって周囲を見回した。
「だから、会社の人に見られます」
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