極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
「慣れですよ」
そんなたわいもない話をして朝食を食べ終わると、彼も後片付けを手伝ってくれた。
「今日は接待でしたっけ?」
予定を確認を優は淡々とした口調で答えた。
「ああ。帰りは深夜になるかな。俺のことは気にせず寝てていいから」
週の始めから接待なんて大変だな。
でも、彼が帰るまでこの家でゆっくり出来る。
「はい」
ついニンマリする私を見て優はスーッと目を細めた。
「何だか嬉しそうだな」
「そ、そんなことありません。じゃあ、私は先に行きます」
ハハッと笑って玄関に行こうとする私の腕を彼が掴んだ。
「ちょっと待て」
「いや、もう行かないと遅刻します」
チラッと腕時計を見て優に訴えるが、彼は腕を離してくれない。
「まさかと思うが電車で行くつもりじゃないだろうな?」
「他に何で行くんです?徒歩はちょっと時間かかりますよ」
「今日は客先に行くから一緒に行けない。梨乃はタクシーで行け。安全のためだ。お金のことは考えるな」
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