極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
出来上がったスクランブルエッグを皿に盛って優はテーブルに置くと、エプロンを外してテーブルに着いた。
彼が昨日私をベッドに運んでくれたのだろうか?
優を観察するようにじっと見ていたら、「何ボーッとしてる?早く座ったら?」と声をかけられた。
「あっ、はい。すみません」
すぐにテーブルに座り、対面にいる彼を意識しつついただきますをする。
テーブルには焼き立てのクロワッサンとスクランブルエッグにベーコン、サラダにコーンスープ、コーヒーが置かれていて、美味しそうな匂いがするのだが昨夜のことがあって食べることに集中出来ない。
クロワッサンを食べつつ、昨夜のことで優に何か言われるかと思ってビクビクしていたら突っ込まれた。
「食欲がないのか?」
「いえ、そんなんじゃありません」
顔を強張らせながら否定して、スープを啜ったらすごく熱くて思わず叫んだ。
「熱っ!」
舌を火傷して顔をしかめたら、彼がクスッと笑った。
「起きるのが遅かったからって慌てて食べるなよ」
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