この溺愛には理由がある!?
「結構暑くなってきたね、最近」

「そうだねー。温暖化かなー?」

のんびりと話ながらも、足音は変わらず響き続ける。

梨奈さんの通う鈴蘭高校と、僕の通う鈴蘭北中学は他の学校とと比べて距離が近い。

自然と、途中まで一緒に通うようになった。

「梨奈さんは夏好き?」

「うーん、あまり得意ではないかな。瑠依くんは?」

こちらを向くことなく、返事が返ってくる。

「僕も得意じゃない。暑いとすぐ疲れるし」

「そうだよねー」

うんうん、と頷きながら右側だけ袖をまくるのが見えた。

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