Zircan
「もうすぐ降りるぞ、そろそろ準備しとけよ」
ここで言う準備とは荷物をまとめる事ではなく、変装をしていろと言う意味だ
そのことをみんな分かっているのか、さっさと終わらせる
手の動かし方がプロ並みで数分で仕上がっていた
手慣れていることがわかる
列車に乗ってからおよそ1時間くらいで着いた
「はあー、疲れた」
「リーダーがこんなことでへばるなよ」
「そんなこと言うなよデリッド、何もすることがなくて退屈だったんだよ」
2人がそんな言い合いをしているうちにも時間がどんどん経っていく
「ほらさっさと行かないと日が暮れるぞー」
カラッシュの言葉でようやく歩き出す
ここの港はとても栄えており、家や街並みが綺麗だ
さらに食べ物、特に魚介類はもとても新鮮で何回食べても飽きないくらいの美味しさ
少し歩いて6人は中央にある広場にたどり着く
どこを見渡しても政府の関係者や見回りのような奴が沢山いるが誰一人として彼らの正体を見破れる奴はいなかった
完璧だ
全員がそう思っていた