Zircan
リオがいた

「君はもしかして・・・ジルカンのリーダーのリオ=モスキーンか」
「ああそうだ。ところでさっさとその汚い手をサミュアの腕を離してもらおうか」

リオ自信の正体がバレているのは後回しだ
困っている仲間がいたら助けることが最優先事項だろう
珍しくリオが怒っている
今にも人一人殺しそうな目つきだ

「ごめんよ、別にどうこうしようというわけではないよ。でもさ、自分はそんなこと言ってるけど実際に、彼女と居たくないって言ったんだろ?仲間であるはずの彼女に」
「はぁ、やっぱりそういうことだったか。リリアムの予想が当たっていたな」

サミュアはそれを聞いてやっぱりそうだったんだと思い始めた
自分のことをみんなが嫌いになってしまったと

「誤解しないでくれ。決してそういう意味で言ったんじゃない。ちゃんとした理由があるんだ」
「どういうこと」
「最近サミュアの元気が無さそうに見えていたから俺たちといて楽しいのかなって思っていて。デリッドも同じ気持ちだったんだよ。もしかしたら俺たちといて無理してるんじゃないのかって」

確かにサミュアは人を傷つけたり、傷ついた仲間を見ることはあまり好きではないし、周りから見ていたら一緒にいることが合わないと思うのかもしれない
でもサミュアはみんなといることができるだけで楽しいと思っている

「そんなことない。私はみんなと一緒にいたいの」
「そうなのか、言い方が悪かったな。また俺たちと来てくれるか?」
「うん!」

さっきまで涙が止まらなかったり、怯えていた顔が今では一粒の涙も流さずただ無邪気そうに笑っている
気づけば青年も居なくなっていた

「ほら、みんなのところに戻るぞ」

2人は先程までいた店に戻って行く
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