Zircan

ー翌日ー

朝の8時ごろ、昨日集まっていた部屋に全員が揃う
だが昨日と同じような感じの奴は一人もいない
何故なら変装しているからだ
人が多いところへ行く際、指名手配犯である彼らが街に出れば顔がバレて捕まってしまうリスクがある
ここ貧民街で彼らにそのようななことをする人はいないが、普通に生活している人がいる街には政府の人が見回っていることがよくあり、見つかって通報されると援軍が来て面倒なことになる
その時は財宝を奪っている場合ではない

「よし、準備は出来たな」

顔を見合わせて頷く
それぞれある程度のお金と少しの着替えくらいの最低限の荷物しか持っていない
着替えだけは変装だったり、戦った時に血がついたりすると大変だから宝を奪いに行く際には必ず持っていく

「行くぞ!」

全員が向かったのは、昨日リオが通ってきた道ではなく別の道だった
わかりやすいように道の入り口に行先の書いてある紙を貼って立て掛けてある
その道は列車の駅の近くにある、来たところとは別の空き家に繋がっていた
この街のあらゆるところにジルカンが所有している空き家がいくつかある
6人は列車を使い目的の場所まで行く予定だった

リオは6人分の切符を買い、他の5人に渡す
着いた時にはすでに出発しそうだったので急いで乗りこんだ
列車内はボックス席になっていて進行方向より向かって右側が6人席で左側が4人席になって真ん中に通路がある
右側の6人席でゆっくり休む
それぞれのボックス席は壁で仕切られていて通路側にはドアがある
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