Zircan
「そろそろ変装をといてもいい?」
エルラミアはリオに聞く
「そうだな、覗いて来る奴がいない限りは大丈夫だろう。俺も解くとするかな」
それを合図に全員が変装を解く
変装というのは窮屈で嫌だろう
「今度はどれくらいのお宝が置いてあるかな」
想像を膨らましながら、まだ見てもいないお宝にリリアムは目を輝かしている
目先の事情より宝優先だ
「さあな、すべてがお楽しみだ」
お宝について話し合うこと数十分、丁度目的の駅まで半分くらい来た時だった
ガチャッ
ジルカンが座っていたボックス席のドアが空いた
マナーがなっていない
人がいないところドアが開いているし、閉まっているとしてもドアに番号が書いてあるから間違えるなんてことは絶対にないはずだ
「おっ、やっぱりいた。上層部からの指示は確かだったな」
「これで俺たちも昇格決定か!?」
(はあ、また政府の下っ端か)
ジルカンのメンバーを指名手配している政府が、どこから知ったのか嗅ぎつけてきた
だがあくまでも下っ端の2人だけだ
ジルカンのメンバーがこんな奴らに誰一人として負ける訳がない
負けたとしたら一生モノの恥だろう
こんなところに居られなくなる
「おら、大人しくしろ」
「大人しくしてるんだけど。しかも一歩も動いてないぞ」
リオは喋りながら同時に指で合図を出した
するとあっという間にエルラミアが2人の背後に回った