【短編】俺達の事情
卒業しちゃった!?
男のくせに、女子みたいに、モジモジして、体をくねらせる姿は、ぶっちゃけキモイと思う。


てゆうか、やってんのは俺だけど。


俺の名前は山本大貴(やまもとたいき)。
高校二年。


なんでそんなキモイ事をしているかと言うと、友人に一世一代の告白をしようとしてるからなのだ。


男なら一度は通るであろう道…なのだろうか。
どうなのだろうか。


「なんだよ、何かあるなら早く言えよー、大貴」


そう言うのは、親友のひとりの江川敬之(えがわよしゆき)。
金持ちのボンボンで、イケメンだ。


「わざわざ、放課後に人がいなくなるまで残れって…なんか、悩み事でもあるのか?」


そう言ってきたのは勝田優(かつだゆう)。
スポーツマンで、ちょっと熱い。


「え…えと、その…」


二人もぶっちゃけ、俺の事をキモイと思ってるんだろう。
そんな視線がひしひしと感じる。俺は腹を決めて、言う事にした。


「実は俺……童貞卒業しちゃったみたい」


テヘ☆とかわいこぶってポーズを決めるがキモさ満開だ。
やってしまったと思って目をそらすが、敬之にがっしりと肩を掴まれた。


「ここじゃなんだから、違う場所でゆっくり話そうじゃないか!」


いたって真剣な顔で、そう言ってきた。
連れていかれたのは、学校の近くにあるケーキバイキング。


男三人でケーキバイキングって、むさいんですけど!


「なんでケーキバイキングなの!? 女子めっちゃいるじゃん!! ここじゃなくてもよくね!?」


「何言ってるんだよ、お前ケーキ好きだろ!」


そういう問題じゃないいいいいいい!!
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