【短編】俺達の事情
「自首しろ、大貴」


「はあ!?」


珍しく喋ったかと思えばそんな事を!


「未成年のくせに酒飲んで婦女暴行…。 いただけないな」


優はガタッと席を立って去っていったので、気分を悪くしのかと思ったら、モランボン20個を持ってまた戻ってきた。


…まだ食うんかい!!


「ちょ、ちょっと待ってくれ! 酒を飲んだ事は認めるけど、襲われたのは俺の方なんだっつーの!?」


「どうゆう事だよ?」


と、敬之。


優は目線だけこっちにやって、ひたすらケーキを食っている。


「あの女…合コンでもやたら俺にかまってきて、やたら酒飲まして…起きたと思ったらなんて言ったと思う!?」


なんて言ったんだよ、と敬之もケーキを頬張りながら言った。


「『大貴くん、可愛いから食べちゃいたいなって思ってたの☆』って! うわあ〜!思い出しただけで鳥肌立つ!」


「女に食われたって事か」


敬之もケーキ一個を間食した。


「大貴は女子みたいにちっこくて女顔だからなー。 その女の人って、年上?」


優がそう聞くと、俺はコクンと頷いた。


「いいじゃん、年上! 何がそんな嫌なの?」


「なにがって…女なのに男食うなんて信じられない」


と、俺が言うと、二人は目を点にした。


「お前…女に幻想抱きすぎなんじゃね?」


敬之が呆れたように言った。
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