千歌夏様‥あなたにだけです。〜専属執事のタロくん〜
千歌夏様‥初めての友達でした。
「おい!お前、何で親がいないのにこのお屋敷にいるんだ?!ここは、お前みたいな貧乏人が来る場所じゃないんだぞー!」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

「こいつ‥
全然表情が変わらなくて気持ちわる〜!」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

「つまんねー行こうぜー」

「アハハ〜!みんな、向こうで遊ぼーぜっ!」

後‥5年‥16になれば、ここから出ていける。

そして俺は自由になる。

誰にも頼らず一人で生きていく‥。

今もこれからもずっと‥一人で生きていける。

俺を見下して絡んでくるウザイ使用人の子供達‥。

貧乏人なのは‥お前らもさほど違わないだろう。

この屋敷の下僕のクセに‥。

一生‥この屋敷に縛られて生きていくクセに‥

だが俺は‥お前達と違う。

ここには、たまたまいるだけ‥。

この屋敷の使用人頭のジジイが施設にいた俺を拾って里親になったから仕方なくこの屋敷にいる。

俺には親なんていない‥いらない。

生まれてすぐに捨てられて‥ずっと一人。

誰かに側にいてほしいなんて感情なんてない。

あんなクソガキ共の言葉なんか‥

「‥クソったれ‥が」

そう言って、俺は拳を握りしめていた。

俺は‥

一人ぼっちだった。



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