千歌夏様‥あなたにだけです。〜専属執事のタロくん〜
「‥タロくん」

「何ですか?」

「学校では、千歌夏様って呼ばないで‥」

「千歌夏様がそうおっしゃるなら‥そうしましょう。」

タロくんは、いつもと同じ‥爽やかに笑いながらお弁当を開く。

ドクン‥

タロくんは、何で私の側にいてくれるの?

「‥千歌夏‥」

えっっ‥

顔を上げるとタロくんが私のすぐ目の前にいた。

長い睫毛‥
整った鼻筋‥
男なのに綺麗な赤い唇
確かに‥美しい顔立ち‥

タロくんがイケメンと呼ばれる者なんだって初めて知った。
けれど私には‥
タロくんがイケメンとかどうでもいい。
ただ、唯一‥
一緒にいてくれた人‥‥大切な人‥。
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