千歌夏様‥あなたにだけです。〜専属執事のタロくん〜
あれ‥私‥どうしてここにいるの?

「‥北條さん‥っっ‥気がついた?」

「‥‥あ‥入江くん‥」

彼は私の目の前に心配そうな顔で座っている。

‥あ‥そうだわ‥私‥倒れたんだった‥

皆の前に出て役員をするなんて‥
考えただけで‥足が震えてしまう‥
私に‥できるのだろうか‥
でも‥タロくんが一緒なら‥

「‥北條さん、もしかして‥役員になりたくない?」

「‥えっっ‥」

な、何でわかったのかしら?!
入江くん‥まさか‥あなた‥超能力が使えるの?
だとしたら‥嘘ついてもダメよね‥
でも‥やりたくないなんて言ったら‥やる気がないダメな人間の烙印を押されてしまうのかしら?
あぁ‥どうしましょうっっ‥ 
こんな時‥
何て言ったらいいの?
クラスメイトと話す機会なんて私にはそうそうない事‥
何と言えば‥嫌われずに自分の気持ちを伝えれるの?

「北條さん?‥大丈夫?」

ぜぇぜぇ‥
考えすぎて‥何だかまたクラクラして‥

ツゥー
何だか鼻から鼻水が出てきたのかしら‥

「あっ!北條さんっ‥鼻、鼻血」

「え‥」

ポタポタ‥
あっ‥赤い‥血‥
どうしよう‥

バッ‥!

「‥北條さん、ちょっとごめんっ。」

入江くんがそう言って私の頭を押さえて鼻にハンカチを当てた。

「‥‥‥‥‥‥‥?」 

「とりあえず、これで鼻を押さえて、下を向いてて‥」

「‥はい‥」
私は、それだけ返事をすると‥おとなしくされるがままに介抱された。
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