千歌夏様‥あなたにだけです。〜専属執事のタロくん〜
私がすかさずタロくんを追いかけようとした瞬間‥
ドンッッ
「きゃっっ‥」
カバンに足が引っ掛かかり‥前のめりになる。
あっっ‥転ぶっっ!
私は思い切り目をギュッとつむった。
フワッ‥
ギュッ‥
‥あれ‥‥
痛くない‥
その代わり‥私の身体に温かい温もり‥
ソロ‥
ゆっくり目を開けてみる‥
私の目にはタロくんの広い胸が飛び込んできた。
え‥
顔を上げるとタロくんの優しい眼差し‥
タロくんの私を見る瞳‥
何て綺麗なの‥
こんな風に見つめられたら‥私‥
「千歌夏様‥大丈夫ですか?」
タロくんが私の顔を覗き込む様に近づいてくる‥
「あっっ‥‥」
カーッッ‥顔が‥一気に熱い‥
両手でタロくんの胸を押すように逃げる‥
ヨロッ
慌てて身を離そうとしてよろけてしまう‥
ギュッ‥
「千歌夏‥様‥危ないですよ」
タロ‥タロ‥タロ‥くんが私の腰を‥掴んでる‥
恥ずかしさで顔から火がでてきそうになる‥
ドキン‥ドキン‥ドキン‥ドキン‥ドキン‥
胸‥胸‥胸が‥
「タロくん‥ありがとう‥離して‥」
このままだと‥おかしくなってしまいそう‥
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥です‥」
タロくんが小さな声で何か言った‥
ギュッ‥
えっっ?
私はなぜかタロくんの胸の中に戻された‥
タロ‥くん‥?
タロくんは、私の頭を優しく撫で‥
私の背中に手がまわっていく‥
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥千歌夏‥様」
「‥え」
タロくんが私の名前を呼ぶ‥‥
「‥千歌夏様‥千歌夏様‥千歌夏様‥」
何度も呼んでは‥頭を優しく撫でられる。
ドキン‥ドキン‥ドキン‥
タロくん‥
抱きしめられて恥ずかしくてたまらない‥
けど‥
嫌だとは思わない‥
何でかしら‥
むしろずっと‥
こうしていたいだなんて思ってしまう‥
ギュッ‥
私の手を‥ゆっくりタロくんの腰にまわした。
バッ‥
「‥‥‥‥‥‥っっ?」
いきなりタロくんが私の肩を掴んで離れた。
「タロくん?」
「申し訳ございません、私も少し目眩を感じまして‥千歌夏様に頼ってしまいました‥」
え‥目眩‥?
タロくん‥今‥貧血か何かだったの?
「‥そう‥なの‥大丈夫?」
「はい‥」
タロくんはそう言って笑うとすぐに私から目を逸らしてスタスタとドアを開けて出ていった‥
‥タロくん‥?
タロくん‥
「嘘つき‥」
タロくんが私を見てきた様に‥
私もタロくんをずっと見てきたのよ?
あなたが嘘をついているかぐらい
わかるわ‥
タロくん‥
本当は‥
私の事‥どう思っているの?
今‥私を抱きしめた事‥後悔したの?
きっと‥あなたは専属執事だから‥
仕方なく一緒にいてくれているのね。
優しくしてくれるのよね。
でも‥私‥タロくんと一緒にいたい。
ずっとずっと一緒にいてくれた‥
唯一のひと。
一人ぼっちだからではなくて‥
タロくんだから‥一緒にいたい。
専属執事のタロくんは、私が北條千歌夏だから‥
一緒にいてくれるんだわ。
‥私は‥タロくんが‥好き‥。
タロくんの側にいるとドキドキしたりフワフワしたり‥
嬉しくて…胸がいっぱいになる。
ずっと前から‥‥
私‥あなたが好き‥大好き。
ずっと一緒にいられたら、それだけで幸せ。
けど…
私なんかの側にずっとなんて無理よね‥
タロくんは困ってしまう‥。
彼はいつか‥専属執事を辞めてしまう‥。
だから私は多くは望まない。タロくんは、いつか私のそばからいなくなるから…。
ずっと一緒にいたいなんて‥この気持ちは隠さなければ。
だって…タロくんは優しいから…彼には重荷を背負ってほしくない。
私は、最後までいい主人でなくてはならない…。
優しくされる価値なんて…私は持ってない…。私は何もない人間…。
でも、もし…タロくんが…私のそばにずっと…いてくれたなら…。
いてくれたら…。
ドンッッ
「きゃっっ‥」
カバンに足が引っ掛かかり‥前のめりになる。
あっっ‥転ぶっっ!
私は思い切り目をギュッとつむった。
フワッ‥
ギュッ‥
‥あれ‥‥
痛くない‥
その代わり‥私の身体に温かい温もり‥
ソロ‥
ゆっくり目を開けてみる‥
私の目にはタロくんの広い胸が飛び込んできた。
え‥
顔を上げるとタロくんの優しい眼差し‥
タロくんの私を見る瞳‥
何て綺麗なの‥
こんな風に見つめられたら‥私‥
「千歌夏様‥大丈夫ですか?」
タロくんが私の顔を覗き込む様に近づいてくる‥
「あっっ‥‥」
カーッッ‥顔が‥一気に熱い‥
両手でタロくんの胸を押すように逃げる‥
ヨロッ
慌てて身を離そうとしてよろけてしまう‥
ギュッ‥
「千歌夏‥様‥危ないですよ」
タロ‥タロ‥タロ‥くんが私の腰を‥掴んでる‥
恥ずかしさで顔から火がでてきそうになる‥
ドキン‥ドキン‥ドキン‥ドキン‥ドキン‥
胸‥胸‥胸が‥
「タロくん‥ありがとう‥離して‥」
このままだと‥おかしくなってしまいそう‥
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥です‥」
タロくんが小さな声で何か言った‥
ギュッ‥
えっっ?
私はなぜかタロくんの胸の中に戻された‥
タロ‥くん‥?
タロくんは、私の頭を優しく撫で‥
私の背中に手がまわっていく‥
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥千歌夏‥様」
「‥え」
タロくんが私の名前を呼ぶ‥‥
「‥千歌夏様‥千歌夏様‥千歌夏様‥」
何度も呼んでは‥頭を優しく撫でられる。
ドキン‥ドキン‥ドキン‥
タロくん‥
抱きしめられて恥ずかしくてたまらない‥
けど‥
嫌だとは思わない‥
何でかしら‥
むしろずっと‥
こうしていたいだなんて思ってしまう‥
ギュッ‥
私の手を‥ゆっくりタロくんの腰にまわした。
バッ‥
「‥‥‥‥‥‥っっ?」
いきなりタロくんが私の肩を掴んで離れた。
「タロくん?」
「申し訳ございません、私も少し目眩を感じまして‥千歌夏様に頼ってしまいました‥」
え‥目眩‥?
タロくん‥今‥貧血か何かだったの?
「‥そう‥なの‥大丈夫?」
「はい‥」
タロくんはそう言って笑うとすぐに私から目を逸らしてスタスタとドアを開けて出ていった‥
‥タロくん‥?
タロくん‥
「嘘つき‥」
タロくんが私を見てきた様に‥
私もタロくんをずっと見てきたのよ?
あなたが嘘をついているかぐらい
わかるわ‥
タロくん‥
本当は‥
私の事‥どう思っているの?
今‥私を抱きしめた事‥後悔したの?
きっと‥あなたは専属執事だから‥
仕方なく一緒にいてくれているのね。
優しくしてくれるのよね。
でも‥私‥タロくんと一緒にいたい。
ずっとずっと一緒にいてくれた‥
唯一のひと。
一人ぼっちだからではなくて‥
タロくんだから‥一緒にいたい。
専属執事のタロくんは、私が北條千歌夏だから‥
一緒にいてくれるんだわ。
‥私は‥タロくんが‥好き‥。
タロくんの側にいるとドキドキしたりフワフワしたり‥
嬉しくて…胸がいっぱいになる。
ずっと前から‥‥
私‥あなたが好き‥大好き。
ずっと一緒にいられたら、それだけで幸せ。
けど…
私なんかの側にずっとなんて無理よね‥
タロくんは困ってしまう‥。
彼はいつか‥専属執事を辞めてしまう‥。
だから私は多くは望まない。タロくんは、いつか私のそばからいなくなるから…。
ずっと一緒にいたいなんて‥この気持ちは隠さなければ。
だって…タロくんは優しいから…彼には重荷を背負ってほしくない。
私は、最後までいい主人でなくてはならない…。
優しくされる価値なんて…私は持ってない…。私は何もない人間…。
でも、もし…タロくんが…私のそばにずっと…いてくれたなら…。
いてくれたら…。