千歌夏様‥あなたにだけです。〜専属執事のタロくん〜
ガサガサッ‥!!

その音にビクリと小さな体が跳ねる。

「あ、ごめんなさい‥もう大丈夫‥です。」

そう言って俺に謝る彼女‥ 

そうやって、周りに気を遣って‥

いつもここで、一人で泣いていた。

まだこんなに小さな少女なのに‥。

自分の事をたった一人だと思い‥
いつも比べられ‥味方もいなくて‥親の愛さえも‥ろくに知らずに‥寂しくて不安で‥震えていたんだ。

彼女は、俺と同じ一人‥だ。

いや‥それ以上だ。

親がいるのに‥一人と思う事ほど残酷な事はないだろう。
< 5 / 42 >

この作品をシェア

pagetop