呪イノ少女、鬼ノ少女
「失礼します」
そこへ障子が僅かに開いて、金髪頭が顔を覗かせた。
夕暮れ時に火群に戻ってきた大和である。
大勢の鬼祓を引き連れて駆けつけ、そして今まで一般人は近付くなと遠ざけられた澪の代わりに九音の様子を見てくれていたのだ。
「一応の治療が済んだっす」
「ホント!?九音さんは無事なの!?」
掴み掛かる様な勢いで迫った澪に、大和は仰け反るように上体を反らせて何度も頷いた。
「ど、どうにか持ち堪えてくれましたよ。残念ながら、まだ会うことは出来ないっすけど」
「そう、よかった…よかったぁ」
心底ホッとして胸を撫で下ろす澪の優しさに苦笑する。
それから、大和は茜の方を向いた。
「あの男の弟子だったんすね」
「……そうよ。弟子だった」
上を見上げたまま喋る茜の声には生気がない。
いつもの彼女の怠惰な喋り方ではなく、本当に魂が抜け落ちたようなか細い声だ。
「ほんと強いっすね。やられた鬼祓の半分が、あの男の手に掛かってたっすよ」
「私の師匠だったのよ。半端じゃないわ」
「茜さんの師だって言われると妙に納得出来るっすね……あ!ていうか、詠命さんが怒り狂って、荒れ狂ってたっすよ?ウチの鬼祓をドブに捨てんじゃねぇ、って」
そこへ障子が僅かに開いて、金髪頭が顔を覗かせた。
夕暮れ時に火群に戻ってきた大和である。
大勢の鬼祓を引き連れて駆けつけ、そして今まで一般人は近付くなと遠ざけられた澪の代わりに九音の様子を見てくれていたのだ。
「一応の治療が済んだっす」
「ホント!?九音さんは無事なの!?」
掴み掛かる様な勢いで迫った澪に、大和は仰け反るように上体を反らせて何度も頷いた。
「ど、どうにか持ち堪えてくれましたよ。残念ながら、まだ会うことは出来ないっすけど」
「そう、よかった…よかったぁ」
心底ホッとして胸を撫で下ろす澪の優しさに苦笑する。
それから、大和は茜の方を向いた。
「あの男の弟子だったんすね」
「……そうよ。弟子だった」
上を見上げたまま喋る茜の声には生気がない。
いつもの彼女の怠惰な喋り方ではなく、本当に魂が抜け落ちたようなか細い声だ。
「ほんと強いっすね。やられた鬼祓の半分が、あの男の手に掛かってたっすよ」
「私の師匠だったのよ。半端じゃないわ」
「茜さんの師だって言われると妙に納得出来るっすね……あ!ていうか、詠命さんが怒り狂って、荒れ狂ってたっすよ?ウチの鬼祓をドブに捨てんじゃねぇ、って」