呪イノ少女、鬼ノ少女
「一回忌も無事に終わって…一年なんてあっという間ねえ」

「お陰様で、周りのことも少しずつですが落ち着いてきました」


一人になった澪の世話を見てくれたのは、父の古い知り合いであった茜だった。

それこそ面倒な相続の手続きから、生活費の仕送りまで。

たまの休みには、娘の雛子を連れて顔も出してくれた。


だが、そこまで面倒を見てくれる理由を尋ねてもはぐらかすばかりで、決して教えてはくれなかった。

父に恩があったわけでも、借りがあったわけでもないというのだ。

ただ、

「気にしなくていいよ。澪ちゃんは透さんの忘れ形見。苦労をさせたくないだけよ」


そう言って、茜はへらへらと笑うだけだった。


彼女がいてくれたおかげで、澪はこの一年、寂しい思いも苦労することもなく生きてくることが出来た。

感謝の言葉をどれだけ積み重ねても重ねきれないほど恩を受けてしまった。

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