呪イノ少女、鬼ノ少女
「こんな田舎でびっくりしたでしょ?」

「え、ええ。でも、綺麗なところですよね」


周りは緑が豊かである…、というか緑しかない。

四方は木だらけ、草だらけ。

それもそのはずで、今茜の運転するバンは舗装もされていない山道を進んでいた。


「ウップ…、結構揺れますね…」


道の粗さに、茜の運転の荒さも合い間って、隣に乗っている澪は気が気ではなかった。


「た、谷底に落ちるなんて無いですよね」

「ん?たまにそういう事故があるって聞くかな」


サーっと血の気が引くのが自分でもはっきりと分かった。


「冗談、冗談。事故が起こるほど、ここは人が通らないから」


あはは、と茜は楽しそうだが、そんなことが慰めになるとでも思っているのだろうか。

というか、それでは事故を起こしたら助けを呼ぶことも出来ないではないか。


「ま、安全運転だから心配いらないいらない、っと!危ない、落ちるところだった」

「イヤァーーーーッ!降ろしてーっ!!」


澪はこんな田舎に来てしまったことを多分に後悔しながら、彼女の運転に耐えるのだった。

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