私の彼は新米悪魔
『.....魔王が動いてくれるみたいだ....。優、強くなってくれ。俺がいなくても 大丈夫なくらいに。』


『.....ルシルがそう望むなら。』


『魂が助かっても俺はずっと一緒には居てやれない。だから....』


(ルシルはいつも自分より私の事を考えてくれる。私もそうなりたい。いつまでも泣いてちゃ駄目だ。)


『偉そうな事言ってっけど俺は優と離れるのは死ぬほど辛い、それなのに優には強くなれ、だなんて.....俺は卑怯だ。』


『俺は...』


言葉を途中で遮って私はルシルに唇を重ねた。


『大丈夫。大丈夫だよ。』

何が大丈夫なのか自分でも分からなかったけどそう言うしかなかった。


ルシルの両腕が優しく私を包みこむ。


(今 私は すごく幸せ。)

それでいい。


魂を受け渡すまであと4ヶ月後の事だった。
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