もうこれ以上、許さない
それより今は、好きって何!?
なんでそうなるのっ?
あたしがちゃんと一線引けなかったから?
だったらここではっきり断らなきゃ!

しばしラーメンを進めながら、諦めざるを得ない理由を考える。


「それで、返事なんだけど…」

「え、今するっ?
俺まだぜんぜん勝ち目ないのに…
もうちょっと時間ちょうだいっ?」

「今する!
そっちが今言うからじゃん。
それに、今でも後でも変わんない。
はっきり言って、重い。
彼女さんを捨てる話聞かされて、そのあと付き合えると思う?
そもそも鞍替えとか許せないし…
あたしにそういうの背負わせる気っ?」

「だから!背負わせたくなかったからっ…
あと、ほんとは別れてから告るつもりだったから…
彼女の事、言う必要ないって思ってたんだ」

ー「隠してたワケじゃなくて…
言う必要ないかなって」ー
なるほど…
ここでようやく、その真意が明かされた。


「…どっちにしろ、菊川さんの気持ちには答えられない」

「…ん。
けど俺、月奈ちゃんに彼氏が出来るまで諦めないから」

「はあっ!?
なんでそんなしつこいのっ?
そこまであたしに(こだわ)る意味がわかんないっ」
そう非難しながらも、嬉しくてたまらない自分がいる。
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