もうこれ以上、許さない
「ちょっとコレ、破れてんだけど。
どーしてくれんのっ?」

翌々日の閉店間際、再び誉の妹さんがやってきた。

うわ〜、こんな忙しい時に!

「すみませんっ。
確認するので、少々お待ちいただけますかっ?」

そんなはずはと思いながらも、すぐに伝票を調べると…
やっぱり問題ないようで。

「お待たせしました。
確認したところ、お預り時と仕上り時の検品では、破れはなかったようですが…」
やんわり無実を伝えるも。

「そんなワケないじゃんっ。
ここ!最初から1㎝くらい破れてたのに、見落としてるし!
それが3㎝に広がってんだから、どー見てもそっちのミスじゃんっ」
そう言いがかりをつけられる。

いやそんな破れなかったし!

「ですが受付時にお訊きした際にも、破れはないと伺ったので…
他店でお預けになった時ではないでしょうか?」
なんて、引き下がれる状況を提案してみたものの。

「はあ!?
責任転嫁するワケっ?
だいたい、破れの事とか訊かれてないしっ」

うわ、そう来るっ?
確かにあの時、はっきりとした返事はもらってないから…
聞いてない、つまり訊かれてないって事にされても仕方ないかも!
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