もうこれ以上、許さない
それに不意打ちで来るにしても、風人の言う通り平日はないと思った。

「ううんっ、行くよっ?
ただ…せっかくだから、夕食もあたしが作ろうかなって」
そう取り繕ったのは…

今の関係になって以来。
風人が食べたがってた肉じゃがを、いつ作ろうかと考えていたからだ。
玉城さんと比べられたくなかったし自信もないから、なかなか実行に移せなかったけど…
いい機会だし誉の合格をもらってるから、ちょっとは喜んでもらえるんじゃないかと踏み切る事にした。

するとさっそく、マジか!ってめちゃくちゃはしゃぐ姿が見れたから…
ガッカリされないように頑張ろう!と。

緊張しながらその時を迎えた。



でもそんなに身構える必要もなく…

「よっしゃ!じゃがいも完了〜。
次はっ?」

「ありがと、次はねぇ…
じゃがいものやり直しっ。
こことか、芽のとこもちゃんと取ってね?」

「取ったし!こんぐらいいーじゃんっ」

「だーめっ。
ピーラーの耳でしっかりくり抜いて」

「え、これそれ用っ?
うわすげー!耳だけに初耳なんだけどっ」

「もお寒いっ」
と言いながらも吹き出す。

緊張は、下ごしらえを手伝ってくれた風人のおかげで楽しさに変わってた。


だけど、実食タイムに移ると…
< 168 / 348 >

この作品をシェア

pagetop