もうこれ以上、許さない
「…わかった。
じゃあみんなで仲良くするのは許す…
だけど、2人っきりで会うのはダメだから。
それと、風人には何も言わないで。
私がここに来た事も、樋口さんと付き合ってた事も」

「は?」
誉は当然、意味がわからないといった様子で訊き返す。

「それはあとであたしが説明するよ」

ますます不可解な顔をする誉をよそに…

「そうだよね。
樋口さんも、言われたら困るもんねっ」
玉城さんは、ほっとした表情を浮かべると。

「じゃあ約束ね?
もし破ったら、こっちもそれなりの措置を取らせてもらうから」
圧を感じさせるように言い捨てて、去って行った。



「ごめんね誉、巻き込んで…
しかも、助けてくれてありがとう」
誉がいなかったらどうなってた事やらと、もう感謝しかない。

「俺が自分から割り込んだんだし。
むしろ助けになれて良かったよ。
それより、早く締め作業しないとヤバいんじゃないか?」

「うん、速攻する。
その前に、誉も用があって来たんじゃないの?」

「うんまぁ、明日着るスーツを受け取りに来たんだけど…
仕事が押してギリギリ間に合わなかったから、他のを着るよ」

「それくらいなら全然いいよっ?
すぐ用意するから待っててね」
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